5.フック 【スタンダードライティング(標準)】

杉山です。

次に紹介したいのが『フック』です。

これはどういったポイントかというと、

「前置き(ストーリー)を先に語ってから、後で本題を語る」

というものです。

こうすることで、
話の導入が読まれやすく面白くなり、
コピー全体がより読まれるようになります。

「読まない」の壁を越えやすくするテクニックです。

コピーというのは、
ただそこに書き手が最も主張したい内容や
最も伝えたいメッセージを書いたところで、
それが大きい反応や大きい売上にはつながりません。

なぜなら、

こちらが伝えたいことだけをそのまま語っても、
その文章は面白くなく興味が持てず、
わかりにくいからです。

相手の心に響きにくいからです。

例えば、高校数学の教科書を開いてみて
1ページ目にいきなり説明もなしに、
何十個という公式が羅列されていたらどう思いますか?

恐らく数学が余程好きな人でない限り、
すぐにその教科書を閉じてしまうと思います。

確かに数学を学ぶ上で、
それぞれの公式を理解して覚えることは重要です。

しかし、

いきなり公式の羅列を見せられたところで、
普通は頭に入ってきませんよね?

多くの人はその教科書を開いて
その羅列された公式を見た瞬間に

「うわ!難しそう!」

「つまらなそう」

「この公式、どういう意味?意味がわからない!」

と思うはずです。

なぜそうなってしまうかというと、
前置きや具体例、例え話といった導入部分がないからです。

実は、「それが大事だから」という理由だけで、
単純にいきなり“それ”を伝えれば良いとは限らないのです。

そもそも何かのメッセージを
“正しく”、“深く”人に伝えたい時には、
そこに「手順」が必要になります。

それは、相手に
そのメッセージを聞いてもらうために
興味を持つような話をしたり、

そのメッセージを深く理解するための
前提知識を与えたり、

言わば“準備”が必要なわけです。

優秀な営業マンはいきなり本題から話をしません。

なぜなら、本題から話しても
売れないことがわかっているからです。

営業マンにとっての本題というと、
もちろん「この商品を買って下さい」ということです。

しかし、初めて会ったばかりの人にいきなり
「これ買って下さい」と言っても、
警戒されるだけでお客さんは買ってくれません。

そこで天気の話など、
本来の目的と関係のなさそうな雑談から入り、
お客さんのニーズやウォンツを伺いながら、
お客さんの心をまずは開かせるのです。

それから、

この商品がいかにお客さんにメリットがあるか、
なぜお客さんがこの商品を買うべきなのか、
そういった情報を与え、興味を持たせ信頼を得ていくのです。

そして最終的に「この商品を買って下さい」という
本題のメッセージを言うのです。

一番良いのは、
私たち売り手が「買って下さい」と言う前に、
お客さんから「これ売って下さい」と言ってもらうことです。

このように、
「本題」に入るまでの準備段階、前置きが重要なのです。

それがなければ、
読み手がそもそも読もうとすらしなかったり、
その内容を理解するだけの知識が
不足している状態になってしまうわけです。

そのままではどうあがいても、
読み手が「商品を購入する」というような
“行動”には至ってはくれません。

いくら「これは大事なことだから」と言って、
いきなり話の最初に本題や結論やポイントを語っても、
それはほとんど伝わりません。

しかも、

その本題、結論、ポイント“だけ”を語ったところで、
読み手はしっくり来ません。ピンと来ていません。

「ふ~ん」
「へ~、そうなものかな~?」
「そうなの?」

という程度の理解で、
読み手はあまり腑に落ちない事のほうが多いはずです。

そこで、その本題に向かうための、
その本題をよりよく理解してもらうための
“準備”が大事なのです。

そして、

その“準備”というものが
「前置き」「例え話」なのです。

つまり、多くの読み手に読まれ、
理解してもらえるメッセージを書くためには、
下記のような話の「手順」が有効だということです。

『例え話 → 本題』

 

ここでいう「例え話」は「本題」につながる話、
「本題」と関連させられる話を意味します。

本題につながるような例え話を先にすることで、
読み手は文章を読むストレスを感じにくく、
また興味を持って読み進めることができるのです。

それに「例え話」というのは
それ自体が「具体的」なものなので、
理解しやすくわかりやすい話なのです。

「本題」、「結論」というものは
大抵「抽象的」なので、
元々わかりにくく理解しにくいです。

 

しかし、その前に具体的な話が入ることで、
スムーズに本題や結論まで読んでもらうことがきます。

伝えたい本題を隠してあえて後に語り、
先に例え話から始めることで、
より読まれる文章になるのです。

では実際に、この「フック」を使うと
どのような文章になるのか例文を見てみましょう。

例えば下記の文章。

「このブルーベリーサプリメントは目の疲れに悩んでいるあなたに最適です。眼精疲労を感じにくくスッキリとした視界が保てるので、ぜひご購入下さい。」

このような「ブルーベリーサプリメントを購入してほしい」というような
「本題」「結論」を直接的にいきなり書いてしまうと、読み手は

「うわ、売り込まれた」
「目の疲れにホントに良いのかな~?」

と思ったりして、あまり読み手に良い印象は持たれません。

特に「売り込み感」が出てしまうと、
それだけで読み手(お客さん)に警戒されますし、
買うべき理由となる情報も不足しているので、信用しにくいです

また「売り込み」の文章は読んでいて面白くありません。

つまらないので興味が引かれず、
その後の文章を読まれにくくなってしまうのです。

そこで、この例文の最初に
「例え話」を追加してみます。

するとどうなるでしょう。

~~~~ここから~~~~

ある朝、私はおじいちゃんが
怪しげな紫色の錠剤を飲んでいることに気づきました。

私はそれが気になったので、おじいちゃんに

「それ何?」

と聞くと、おじいちゃんは

「あぁ、これ飲むと夕方になっても目がしょぼしょぼしないんだよ。」

とだけ答えて、すぐに車で出かけていってしまいました。

そういえば今までのおじいちゃんはずっと
目が疲れてて辛そうでした。

おじいちゃんはドライブが大好きでしたが、
眼精疲労が理由でここ何年も
大好きなドライブを控えていました。

でも最近のおじいちゃんは
毎日のようにドライブを楽しんでいて、

「急にどうしたんだろう?」
「目の調子が良くなったのかな?」

と私は思っていました。

そこで、私はその謎の「紫色の錠剤」の正体を知りたくなって、
その錠剤のケースを探し、
おじいちゃんに内緒でコッソリとパッケージを確認したのです。

するとそこには

「ブルーベリーエキスで目がクリアに!」

と書かれていて、その謎の「紫色の錠剤」というのは実は
「ブルーベリーサプリメント」だったのです。

このブルーベリーサプリメントは
目の疲れに悩んでいるあなたにも最適です。

眼精疲労を感じにくくスッキリとした視界が保てるので、
ぜひご購入下さい。

~~~~ここまで~~~~

となります。いかがでしたでしょうか?

こちらは例文なので
少々例え話と本題のつながりが強引でしたが、
文の最初の方は読み始めやすかったのではないかと思います。

このように体験談やストーリー、
物語調の文章を最初に持ってくることで、
かなり読まれやすい文章に簡単に変化します。

特に誰もが知っている話題、
読み手が興味を持ったり
共感しそうな話題から入ると、
非常に反応が良くなり読まれます。

その時話題になっているニュースや
ブームになっている話から入ると
多くの人の興味を引けますね。

このようにコピーの始まりを面白くして、
読まれやすくするテクニックが
この「フック」というものです。