8.権威性 【スタンダードライティング(標準)】

杉山です。

次にお話したいのが『権威性』です。

これは、
「人は選択肢・物事を判断する時に権威のある人の意見に従ってしまう」
という傾向を利用したテクニック
です。

「信じない」の壁を越えやすくします。

人は「何を買おうか」など何かを選択する時に
何を基準に考えているのかというと、

当然最も自分にとって得のあること、
自分にとってメリットのあること、
それがどれか?それが何か?

を考えているのです。

そしてそのための「判断材料」を探しているのです。

例えば「どの商品を買おうか?」という状況の時に、
人は各商品のメリット・デメリットなどを調べて、
それが本当に自分にとって本当に良いものかどうか、
それが本当に自分が買うべき商品かどうかを判断しようとします。

ただ、

そういった商品のメリット・デメリット、特徴といった情報、
つまり「最善の選択肢を判断するための判断材料」を収集するのには
非常に手間がかかります。

1つ1つの商品情報をチェックし、
自分が買うべきものを決定するには
非常に労力・コストが要りますし、ストレスがかかるものです。

できれば簡単に自分にとってベストな商品を選びたいはずです。
低コストで短時間で最善の選択をしたいはずです。

少なくとも私はそうです。

そういった人間の怠け心も手伝ってか、
人間はその分野で権威のある人の判断・意見に
従ってしまう傾向にあるのです。

その業界の専門家、その分野のトッププレーヤー、
有名人、一流の人の判断・意見に
自分の選択を委ねてしまいがちなのです。

なぜなら彼らが信頼できるからであり、
かつ自分が考えなくて済むから
です。

例えば、あなたがなんらかの病気になった時に
あなたはどうしますか?

恐らく病院へ行って、その病院の医者に診察してもらい、
その医者に病気の判断を仰ぐはずです。

なぜなら、医者が医療の専門家だからです。

医者は病気やその治し方の知識が豊富で、
他の誰よりも自分の病気を的確に診断し、
最善の治療法、対処法を教えてくれると期待しているからです。

自分の体をいち早く健康にしてくれると
信じることができるからです。

医者に

「あなたの病気は○○です。」
「××すればすぐに良くなりますよ」

と言われれば、大抵の人はその医者の言うことを信じて、
その指示に従うはずです。

しかし一方で、

医者でも何でもない人に診察され、

「あなたの病気は○○です。」
「××すればすぐに良くなりますよ」

と言われて、素直にそれに従うことができるでしょうか?

少なくとも私はできませんね。
きっとあなたもそうだと思います。

なぜなら、その人が医療の専門家ではないからです。
厳密に言えば、その人が医療の専門家に“見えない”からです。

医療の専門家に見えないということは、
その人の医療に関する意見や判断が
信用できないということにつながります。

その人の意見や判断が信用出来ないということは、
それを聞いた人は行動を起こしにくいということです。

今の例で言えば、
医者でも何でもない人に
「××すればすぐに良くなりますよ」と言われても、
結局聞き手はその人を信用出来ないので何もしないはずです。

つまり、その「××」はしないということです。

結局のところ、

人は「信用できそう」「信頼できそう」と
思える人の意見や判断に従ってしまいがち
だということです。

そして、

客観的にそういった

「信用できそう」
「信頼できそう」

と思える人の最たるものが「権威のある人」なのです。

医療分野であれば医者。
法律分野であれば弁護士、検事。
お金の分野であれば税理士、会計士、ファイナンシャルプランナー。
ビジネスの分野であれば、経営者、マーケッター、コンサルタント。
投資の分野であれば、投資家。
学術分野であれば大学教授、研究者。

その分野に関して、
一般的に詳しそうと思える人の言うことに
人は従いやすいのです。

そこで、この心理を
私たちがセールスで有効に利用するとしたら
どうすればいいでしょうか。

それは、

そういった権威のある人・組織から
商品の推薦文をもらって広告に載せたり、
彼らの発言、書籍などの文章から
引用して広告に載せるということです。

仮にあなたがサプリメントを販売したいとしたら、
食品関連の研究所の発表している論文の内容を引用したり、
サプリメントに詳しい有名人や専門家がいれば
その人に推薦文をもらうなどすることが有効です。

ちなみにこの「権威性」というテクニックについては、
日本人は非常に弱いです。

この「権威性」というのは、
言わば他人の信用性を巧みに借りる技術、
他から合理的に自分に足りない信用を持ってくるワザ
なのです。

そして、「権威性」とは
実に人間が表面的な要素に弱いかという弱点を
見事に突いたテクニックなのです。

どういうことかというと、

権威というのはあくまでも読み手の中で
専門家っぽく見られていることが重要で、
「専門家だからきっと正しいことを言っているだろう」
と読み手が感じることが重要なのです。

どんな専門家でも、
その人の発言がすべて正しいとは限らないことは
よくよく考えれば理解できることです。

ですが、

専門家は素人に比べれば
正しいことを言ってくれる可能性が高いので、
それだけで人はその専門家の意見や判断に
自分の選択を委ねてしまうのです。

ですから、ここでは
その人が「何を」言っているのかという、
意見そのものや判断それ自体が大事なのではなく、
「誰が」それを言っているのかが重要なのです。

専門家が言っていることが重要なのです。

もちろん、その「誰が」は個人だけでなく
組織や機関も含めてです。

日本人は特に肩書に左右されがちです。

「医者」「弁護士」「政治家」「公務員」
「モデル」「女子アナ」「教授」「社長」「CA」
「パイロット」「野球選手」「サッカー選手」「商社マン」

こういった単語を聞くだけでも聞き手は勝手に
頭の中にそのイメージを作って、
そのイメージに引っ張られてしまいます。

こういった「肩書」もある意味で
権威性なのかもしれません。

しかし、日本人が権威性に弱いということは逆に言えば、
この「権威性」を使うことは日本人相手のビジネスに対しては
非常に効果的だということです。

ではここで「権威性」を上手く使った広告の例を
3つほど挙げたいと思います。

1つは「東大生〇〇」です。

世の中にある商品には

「東大生が必ず読んでいる本」
「東大合格者のノート」

などといった色々な商品に
「東大生」というフレーズが付いています。

特に勉強に関する商品やサービスに
「東大」というブランド名をくっつけることで、
その商品・サービスの信頼性が高まります。

消費者はきっと

「この商品・サービスを購入すればうちの子は東大に行けるかも」とか、

たとえそこまででなくても

「東大レベルの学力、頭脳が手に入るかも」

といった淡い期待を抱いて購入するのでしょう。

たった「東大」というだけの単語を付けるだけで、
その商品・サービスの価値を劇的に高めている良い例だと思います。

「東大」ブランド恐るべし、だと思います。

2つ目はNASAで開発された〇〇」です。

これは「ベッド」「マットレス」「枕」のような
寝具の商品での広告で謳われていたと記憶していますが、
とても見事な権威性の使い方だと思います。

「NASA」という言葉に
どんなイメージを多くの人が持っているかを
よくわかって使っていると思います。

「NASA」という単語からイメージするのは、
「宇宙工学」「ロケット」「人類の限界」
「優秀な社員」「トップレベルの理系人」
「科学の最先端」「唯一無二の研究」

私が想像するのはそういったものです。

そして、私が読んだその広告では、

NASAでロケットを発射させる時に必要な
乗組員の衝撃をできるだけ緩和させる素材が開発され、
その素材を利用して非常に優れたクッションを作り、
ベッドやマットレスのような商品を作った。

そんな内容だったと思います。

「NASAで開発された素材を使用した商品」と言われると、
それだけでその商品の品質や技術がトップレベルで
唯一無二のものに思えてしまいます。

読み手の中で勝手に
その商品の価値を高めてしまいます。

まあ、この場合は決して
「NASAが推奨」ではありませんが、
「NASAの技術が少なからず使われている」という事実だけでも
十分な「権威性」になります。

非常に効果的な謳い文句だと思います。

3つ目の例は「ミシュラン3つ星」です。

飲食店の評価として、
恐らく現在最も効果のある権威性が
「ミシュラン」ではないでしょうか。

ミシュランに載るだけで誰もが認めるお店と見られ、
話題となり、大きな集客効果をもたらすことは間違いありません。

ミシュランに載るだけで、

「世界的に客観的に評価されたお店」

というイメージが世間には認知されます。

似た例ですと、
「モンドセレクション受賞」があります。

これも、
「なんだかよくわからないけど、すごそうな賞を受賞している」
という印象を与えることができます。

多くの人は「モンドセレクション」というものを、
実のところよく知らないと思います。

私もよく知りません(笑)

でも、ほとんどの人は
「モンドセレクション」という言葉を1回は聞いたこと、
見たことがあるはずなのです。

そのため、多くの人は
「なんとなくすごい賞を受賞したのだろう」
程度にしか思っていないと思います。

思っていないと思いますが、
それにも関わらず
「なんかすごく権威がありそうな賞を受賞している」と
見込み客に少しでも思わせることができ、
それだけでその商品の評価が上がるのです。

これも権威性を上手く利用しています。

このように「権威性」というものを
有効に使うことができれば、
それだけで大きく信用を得ることが可能になります。

すなわち、「信じない」の壁を
容易く乗り越えることができるのです。